売掛金滞納の取引先を切る

売上に占めるシェアが大きい取引先の、売掛金回収に苦しんでいた企業。回収を図ろうと悪戦苦闘の交渉の末に、 期間限定ながらその取引先への支払マージンを上げることでつじつまを合わせる、という理不尽な要求を呑むことに。しかし、 同等額の売掛がいつまでも減少しない中、当社から売掛回収と借入とのシミュレーション比較を示し「見せ掛けの売上維持のために 企業体力をむしろ消耗している」ことを説明。結果的に取引打ち切り覚悟の最終交渉に入り、売掛金全額を無事回収。
その後、 やはり取引は打ち切られ売上は落ち込んだが逆に社内体制は固まり、危機感を持って取り組んだ新たな事業展開が実を結び始め、 今では売掛回収に苦しんだ取引先の売上を凌駕する売上を計上。もちろん利益率は比較にならないほど良い。

⇒ここがポイント

「主要取引先なら売掛が多いのは当たり前。」「売掛金が増加しても売上を伸ばすことが先決だ。」これは高成長期の考え方です。 キャッシュフロー優先の低成長下では、どんなに見せかけの売上に貢献しようとも、回収にリスクを伴う取引先との付き合いは慎重である べきです。一度、売上と回収期間及び借入金との対比表を作ってみてください。
本当にその売上は会社に貢献していますか? ひょっとしたらかえって足を引っ張っているのではないですか?もしマイナスの要素が強ければ、取引停止の覚悟を持って早めの交渉に当ることです。時間がたてばたつほど企業体力を消耗していますよ。