新規創業と個人再生

事業多角化の失敗による過剰債務が原因で経営破たんした企業。しかし、本業には定評があった旧経営者の資質と、空室リスクを嫌う入居ビルオーナーの意向を見極めた当社では、新しい会社作りを提案。旧会社の元・従業員に新規創業として新たな会社設立を依頼し、新経営者としてテナントに再入居してもらった。新経営者には、自己破産したため金融機関との取引が見込めない旧経営者に代わって対外的な役割を担ってもらう一方、新会社の実務は業務に定評のある旧経営者に委託。所有と運営の分離をコンサルタントの当社がうまくコントロールし、軌道に乗せた。ビルオーナーの賃料低減協力等も得られ、事業の方は顧客が戻り再生。旧経営者の個人再生も道筋がついた。

⇒ここがポイント

事業破たんは、必ずしも個人の生活破たんではありません。再チャレンジできる体制を整えてこそ、破たんで得た貴重な体験が次に生かせるのです。本事例はまれなケースかもしれませんが、元・従業員が新規創業のリスクを引き受けてくれたおかげで、結果的に元・経営者、ビルオーナー、そして元・従業員の3者皆が前に進むことができました。当初、元・従業員は経営することに不安を覚え、ビルオーナーもその賃貸に消極的でしたが、当社が全面的にバックアップすることで両者の理解を得、奇跡的なスキームを組むことに成功しました。