(1)現状の機能分析を行います。機能分析には「機能構成図(DMM;Diamond Mandara Matrix)」の活用が有効です。第一階層では出来るだけ8象限全てを埋めるようにし、第二階層・第三階層へとブレイクダウンしていきます。
(2)次に、同じ階層の中で機能が重複していたり他の機能に比べて繁雑になっている項目(業務)について、業務流れ図(WFA;Work Flow Architecture)を作成します。場合によっては、第二階層の8つの機能全てをWFA化します。
(3)最後に、特に改善・改革を要する業務だけピックアップしてその業務全ての課業(アクティビティ)を洗い出し、課業分析=活動基準原価計算(ABC;Activity Based Costing)を実施します。
(4)ビジネスプロセス(業務の流れ)を文書化・図式化するのはWFAが最も一般的で分かりやすいものです。しかし、WFAは現状の組織・拠点をベースに業務の流れをつかむため、物理的な制約をそのまま肯定されがちです。現状の「あるがままの姿(As Isモデル)」を可視化するだけならばそれでも良いのですが、ビジネスプロセスの可視化の目的は「将来のあるべき姿(To Beモデル)」を導き出し業務改善・改革を行うことにあるのですから、MECE的概念からもその上位モデルとして「機能分析」、下位モデルとして「課業分析」があるべきです。
(5)DMMは、To Beモデルを実現するためのIT設計時に「DFD展開する」際にも非常に役立ちます。ABCは、すべての部署や業務で行うには非常に負担がかかりますから、問題が多い部署や効率の悪い部署に絞って行うのが妥当です。